入浴は日常生活の中でも欠かせない活動の一つです。
衛生面だけでなく、精神的にもリラックスできるため多くの人々が大切にしている習慣だと思います。
しかし、病気の有無にかかわらず年齢を重ねると安全性や快適に行うことが難しい活動です。
「もう一度お風呂に入りたい!」「より安全にお風呂に入りたい!」
そんな気持ちを持っている方へこれらを達成するために役立つ自助具を紹介したいと思います。
はじめに
入浴動作は一般的に下記の4つに分かれます
移動
洗体
浴槽跨ぎ、浸かる
今回はこれらの項目に分けて進めていきます。
移動
暖房器具(冬限定)
浴槽へ行く前の段階ですが、冬は確実に暖房器具を設置してください。
理由はヒートショックがあるためです。
詳細は下記のURLをご参照ください。
ヒートショックとは?対策や症状は 脳卒中や心筋梗塞などの原因に | NHK
私は病院に勤めていますが、冬は浴室や脱衣所で脳卒中になられる方が多く入院されます。
浴室や脱衣所には確実に温めておきましょう。
滑り止めマット
ご自宅や両親の浴室の床は滑りませんか?
当然ですが、滑る場合は転倒のリスクが跳ね上がります。
打撲で済めばよいですが、骨折や頭を打った場合は大変な状態になってしまいます。
確実に滑り止めマットを置き転倒リスクを抑えてください。
体を洗う
シャワーチェアー
現在、体を洗う時に座る椅子は低くないですか?
シャワーチェアーは高齢者や身体的に不自由な方々がシャワーを浴びる際に安定した座り姿勢を提供する重要なアイテムです。
滑り止めの脚と安定感のある座面が特徴で、入浴中に安心してリラックスした時間を過ごすことができます。
さらに、多くのシャワーチェアーには背もたれやアームレストが付いており、ユーザーがより快適な姿勢で入浴できるように設計されています。
また座面も高く設定されており、膝が悪い方や立ち上がりが不安定な方の強い味方です。
私としては、安全のために一家に一台配って欲しいと思っています。
洗体ブラシ、ループタオル
体を洗う際に届かない場所はないですか。
これらの道具を使用すれば隅々まで綺麗に洗うことができて、衛生的です。
浴槽を跨ぎ、浸かる
バスボード
感覚ですが、浴槽に入れない原因の9割は浴槽跨ぎが原因です。
浴槽の内側に取り付けられるバスボードは、入浴時に安定した座り姿勢を提供し、入浴時の安全性を高めます。
また、浴槽からの出入りもスムーズになります。
浴槽台
浴槽をどうにか跨いだ後に問題になるのが、湯船からの立ち上がりです。
足の筋力が低下している場合や、膝を痛めているなど様々な理由で立ち上がりが困難な場合は
浴槽台が非常に有用です。
浴槽の中に沈めることで立ち上がりが非常に楽になります。
※浴槽台の高さがあるため自宅内の浴槽の深さによっては肩まで浸かることが出来ない場合があるため注意が必要です。
番外編
これらの道具を使用しても入浴できない場合は下記の方法を試してみましょう。
デイサービスや訪問介護を利用
第一に考慮するべきが、公的サービスの利用になります。
介護度にもよりますが、週に数回はサービスを利用して入浴を行いましょう。
もし、ご家族の方が寝たきりの場合でも寝た状態で入浴が行えるデイサービスもあります。
まずはケアマネージャーや市役所に相談してみましょう。
ドライシャンプー
ドドライシャンプーは、水を使わずに髪を洗浄し、さっぱりとした感覚を与えてくれます。
使い方は簡単で、シュプレーを髪に吹きかけ、洗うだけです。
その後、タオルで拭き取ることで、すっきりとした髪を手に入れることができます。
水が無くても大丈夫なのかと不安になるかもしれません。
実際に使って頂くとわかるのですが、思ったより綺麗になります。
夏場にデイサービスの回数が少なく、衛生面が気になる人におすすめです。
体拭きシート
ボディシートは、肌を清潔に保ち、汗や不快なニオイを取り除くのに役立ちます。
使い捨てのシートなので、どこでも手軽に使用できます。
シートを肌に優しくこすり、汚れを拭き取り、清潔な状態を維持することができます。
こちらも、デイサービスに行けない夏場におすすめです。
特におむつを着用している場合はお尻などを綺麗に拭き取ることで余分な皮膚トラブルに巻き込まれなくなります。
まとめ
お風呂は、日常生活においてリフレッシュするための貴重な時間です。
入浴は体を清潔にし、心身をリラックスさせるだけでなく、健康にも良い影響を与えます。高齢者や身体的に不自由な方々にとっても、安全で快適な入浴環境を整えることが重要です。
そこで、本記事では、入浴の安全性と快適さを向上させるための自助具や代替手段について紹介しました。
今回紹介したアイテムを利用することで、高齢者や身体的に不自由な方々が安心して入浴を楽しむことができます。
入浴は健康的な生活に欠かせない要素の一つです。
安全で快適な入浴環境を整えることで、日々のストレスや疲れを解消し、健やかな生活を送るための一歩となります。
身近な自助具や代替手段を上手に活用し、お風呂タイムを充実させましょう。
コメント